【実体験】うつ病回復のリアル ー 休職期間を価値ある人生経験へ発展させるノウハウ ー

休職関連

今回は、自身のメンタル休職の実体験を踏まえて、メンタル疾患になった場合の復帰について話したいと思います。

精神疾患で有名なのはうつ病ですが、一般的に不調をきたすのは心と思われがちです。
しかし、実は身体にも症状が出ることが多く、想像以上に大変な状況になってしまいます。

社会復帰や不調に悩まれている方も多いと思いますが、今回の記事は、こんな目的で書いていきます。

  • 精神疾患への理解を広める
  • 休職してから社会復帰までのプロセスを知りたい
  • 休職を検討するために、精神疾患の重大性を知りたい

一般的には、うつ病の治療は「急性期」→「回復期」→「再発予防機」のプロセスで行われますが、すkしイメージがしにくいかもしれません。
そこで、自分の実体験をもとに書いていきたいと思います。

では、早速実体験をもとに、できるだけ用語を使わずに、精神疾患の治療過程のリアルを見ていきたいと思います。

日常回復期

日常回復期は、うつ病治療の初期段階で、日常生活が戻るまでの期間です。
専門用語では急性期と言われ、最も調子の悪い時期です。
日常生活が困難になり、様々な場面で支障をきたしてしまいます。

「日常回復期」のリアル

例えば、こんな感じです

  • 歯磨きがしんどい
  • 入浴やシャワーもしんどい
  • 部屋の掃除がしんどい
  • 外出がしんどい(日用品の買い物や行政手続きなど重要なものでも)

特に症状が重い場合は、こんな感じになってしまいます↓

  • 睡眠薬がないと眠れない
  • 食事が取れない
  • ベッドから起き上がれず寝たきり

ここまで来ると入院の可能性も出てきます。
または、入院とまでいかなくても、一人暮らしの方は実家に帰省する状況になる例もよく聞いています。

「人生の損失」を避けるために、自己防衛

この時期の目標は、普通の日常を取り戻すことです。
最も大変な期間ですが、通院で適切な対処を行うことで、この期間を最小限に短くすることが可能です。

自身の体験から、以下のポイントが重要になってきます。

  • 早期に医療機関を受診し
  • 信頼できる主治医を見つけて
  • 症状を漏れなく伝えること

僕自身は専門家ではないですが、実体験と精神科医の情報発信を踏まえると、
睡眠障害と食欲不信の症状が出れば、医師は労務不能と判断して、休職の診断書が出る可能性が高いです。

この状態まで来ると、少しでも早く休職する必要性が出てくると思います。
ここで拗らせて無理をした結果、
数ヶ月〜1年以上、ほぼ寝たきりという悲惨な状況の方もたくさんいると聞きました。

重いうつ病となってしまった人の話で印象的だったのは、
社会復帰がとてつもなく遠い事に思える」という言葉でした。

うつ病に限らず、精神疾患は人生の損失を招きます。
そうならないように、事態の深刻さを認識して対処していく必要があると感じます。
僕自身もその認識の元、日常回復期が最小限になるように対処しました。

体力回復期

日常が戻ってきたら、次に体力を回復させていきます。
日常生活は一通りできても、体力がないと日常を楽しむ余裕は無くなってしまいます。
体力を戻し、色々な体験ができるようにしていくことが目標になります。

「体力回復期」のリアル

実体験を踏まえると、体力が回復した目安はこんなところでしょうか。

  • うつ病以前と同レベルの運動をしても、極端に疲れない
  • 少し遠出をしても、翌日にさほど影響しない
  • リワークにも週1〜2の頻度で通えて、体力を激しく消耗しない

これはカウンセラーから言われた事ですが、うつ病はまずは体力の回復が先に来ると言われました。
実際その通りかなと思います。

ただこの段階ではまだ、以前のように「仕事をする能力」は戻っていないという印象です。
そのため、こんな状態です。

  • 自発的な勉強は続かない
    (集中が切れるか、意欲が切れるかで続かない)
  • 強い不安や焦燥感などの感情がある
  • アクティブな趣味(他県への旅行など)はまだ難しい

「ゆっくり進歩」が程よい

この時期に行う治療についても、病院からの指示によると思いますが、自身が実践したことは以下でした。

【生活面】

  • 以前から続けていた活動で出来そうなものは続ける
  • 体力の向上を図る
    (ウォーキングや筋トレ、スポーツなど)
  • 簡単にできる趣味をしてみる
    (近所での買い物、教養系youtubeを音声のみで視聴するなど)

【感情面】

  • ポジティブな情報を集める
    (現状を肯定できるような情報とも言える)
  • ネガティブな各感情について、沸き起こる仕組みを理解する
    (将来不安、焦燥感、過去への後悔、孤独感など)
  • ネガティブ感情の引き金になるものは避ける

この時期は体調と相談しながら、慎重に活動していく必要があるともいますが、
何か以前の習慣を改善できるような活動を “一つでも” してみることで、自信につながっていくと思います。
タイトルにもある、「ゆっくり進歩」の考え方です。
例えば自分は、体力向上を図るためにスポーツの頻度を増やしましたが、これは結構よかったと思っています。

能力回復期

前章でも軽く触れましたが、次が能力を戻す段階になってくると思います。

能力というのは、「理解力」「集中力」「判断力」「記憶力」「思考力」など、主に体力以外の能力です。
心理学では認知能力ともいわれ、仕事や高度な活動を行うには必須の能力でしょう。

「能力回復期」のリアル

この時期は体力は戻っているので、色々な活動が可能になってきます。
無理は避けながらですが、例えば、趣味や勉強、リワークなどが可能になってくると思います。

以前の段階では、「活動が少ない → 心身が不健康になる → 活動がまた減る」という悪循環が出ることもありました。
しかし体力が回復することで、悪循環は生じにくくなっていきます。
この時期は、活動しながら「自分の能力を思い出す」「確認する」ことが可能になってくると思います。

重要なのは、心理的に安全な環境で、活動を増やしていくことです。

まだ「精神的な脆さ」は抱えているので、自分の能力が活かせる活動(ボランティア)なども良いと思います。
自分も実践しましたが、主観的ながら効果を実感しています。

色々な体験や勉強が、自分を回復させてくれる

以下、自分が行なったことをまとめてみました。

  • ネガティブな各感情に対しての葛藤を終了させる
    (カウンセラー、デイケアのスタッフや電話相談窓口などの力も借りて、自分が納得できるまで結論を出す。)
  • ボランティアなどの奉仕活動を始めて、自分の必要性を実感できるようにする
  • 生活にルーティンを取り入れる
    (例えば午前中は運動や外出をして、午後は休息と勉強をするなど)
  • 少しづつアクティブな趣味を増やしていく

上記で「ネガティブ感情への葛藤を終了させる」と書きました。
これは、例えば過去への後悔に終止符を打つことです。

「あの時こうしていれば、今頃もっと人生を謳歌できた」と思っても結論は出ません。

だからこそ、
「あれは仕方なかった。自分はその時の状況と経験値で精一杯やった」
「この状況は”不幸”なのではなく、なるべくしてなった事」
「今の大変な気持ちは、自分が今まで知らなかった”新しい感情”を理解するための時間である」

というような別の捉え方(リフレイミング)をしていきます。

実際に行った感想としては、自分で言い聞かせるよりは、人の言葉を借りた方が良いということです。
例えば本を読んで、良いと思った考えを取り入れてみる。偉人やアーティストの名言に触れてみる。などです。

自分より偉大な存在からの言葉には、”力”が感じます。
大きなことを成し遂げた人に共通するのは、そのエネルギーです。
そして彼ら・彼女らの人生を知ると、そのエネルギーは苦難から生まれていることを知ることもできます。

休職期間は時間がありますので、様々な思想や人物の言葉に出会うことができます。
そうやって色々な力を借りながら、能力回復期を過ごしていくと、次に段階になっていきます。

精神回復期

そして最後が精神回復期です。

「精神回復期」のリアル

この時点で、日常も体力も、能力も元通りになっていると思います。
しかしまだ、精神的な脆さを抱えている状態と感じます。

自分の実体験で言うと、
まずこの段階では、ストレスのない状況なら、唐突に強烈な不安に襲われる事などは基本ありません。
しかし、職場のようなストレスがかかる環境で、実際に「仕事をする」ことはまだ難しい印象です。

より大きくなって復帰する為の充電期間と捉える

この時期に必要なのは、パワーアップだと思っています。
元通りの状態になって社会復帰ができたとしても、正直、物足りなさはあるかもしれません。
休職期間に、確かに成長して自信を付けたという確証が必要だと思うのです。

元の状態以上に自分がパワーアップ・レベルアップしていれば、自信にもつながっていくと思います。
例えば、再発予防の知識、心理学の知識、コミュニケーション力、教養、趣味の開拓など..

自分を発展させ、大きくしていくために必要な時期です。

精神的脆さは、完全には回復しないかもしれません。
しかし、それ以外の分野で自分が成長しれいれば、より大きなリターンになると思うです。

休職療養期間を、大きな人生経験に発展させる

休職するほどの事態というのは、間違いなく大変な状況をくぐり抜けてきた証です。
休職に至ったプロセスも、その後の回復のプロセスにも、貴重な経験値が含まれているはずです。

そして精神回復期を経ることで、「本当の人生経験」として発展させられると思います。
休職期間を存分に活かすことで、自分のためにも、ひいては社会のためにもなると思うのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました