今回も退職ネタです。
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僕自身は2度、退職の経験をしています。一度目は転職に伴う退職、2度目は休職の期限が切れて自然退職となった際の退職。
タイトルにもある通り、僕は退職代行を使わなくても退職できると思っています。「退職願」と「退職届」を使うことで、お金を使わずに辞められるのと同時に、経験も得られるからです。
退職代行の現状と使われる理由
数年前から退職代行サービスが注目されてきています。実際に、全国20~39歳のビジネスパーソンを対象にした調査では、退職時に利用を検討している人は4割を超え。さらに利用したことがある人も2割近く、退職代行を使うのがかなり一般化していると言えるでしょう。*1)
またマイナビの調査によれば、退職代行を使う理由てして「退職を言い出しにくい」「引き止められる」「何を言われるか怖い」などがあるようです。
要は「罪悪感」や「恐怖」により、自分で退職手続きをするのはしんどいと言うところでしょうか。もちろん気持ちは非常にわかります。特にパワハラなど受けていれば、恐怖で一杯になってしまうので、切り出すことがかなり難しくなりますよね。仕事に対する責任感も強く影響するでしょう。
でも、退職願と退職届を使えば、無料で辞められますので安心してください。ここからは実体験を踏まえて、自力で退職する方法を見ていきたいと思います。
自信が無くてもOK
僕自身、HSP気質ということもあり、自己主張が苦手で回りに振り回されてしまうところが多々あります。加えて、当時は直属上司からパワハラを受けていました。残業の強要や、密室で数時間にわたって説教をするような上司でしたから。
そのため、退職を切り出したくてもまずはそのパワハラ上司に言わなくてはならない。そんなHSPでなおかつ直属上司からパワハラを受けていた自分でも、代行を使わずに辞められたので、ぜひノウハウをシェアしたいと思います。
原則は内定承諾後に退職を申し出る
よくある悩みが、内定先が決まっていないのに退職して良いのか問題。これは別の記事でも書きしたが、まずは内定承諾をしてから退職を申し出るべきです。
その理由はたくさんあります。
〇 先に内定承諾することで覚悟が確かなものになる
〇 辞めなくてはいけない状況を作れる
(内定承諾後の辞退は極めてNGな行為のため)
〇 引き止め者に本気を示すことができる
〇 「他でやっていけるのか」という発言に対抗できる
(極めて侮辱的な発言だが、内定承諾という裏付けがあるのでこっちも強気になれる)
〇 「転職」が退職の理由になるので、退職交渉がめちゃくちゃ簡単
「退職願」を直属の上司へ提出
ではいよいよ退職の切り出しです。
いくらパワハラ上司でも、まずは直属の上司に退職の申し出を「退職願い」を提出して行うべきです。
たとえその上司との関係に問題があるとしても、直属を経由しないことでより事態は悪化する可能性もあります。パワハラ上司であればなおさらです。基本的に筋の通らない事を部下がすれば、相手をあらゆる手段で追い詰めるのがパワハラ上司。だから、まずは直属上司に言って筋を通す必要があります。僕自身は直属の上司に退職願いを出したことで、意外にあっさり分かってもらえました(おそらく、覚悟が伝わったのだと。。)
もし退職の切り出しで問題が起きるのが心配であれば、会話を録音しましょう。スマホのレコーダーでもICレコーダーでもよいので録音し、万が一脅されるようなことがあれば、それはパワハラの動かぬ証拠となります。
また、退職の申し出には「退職願」を出すべきと言いました。これはには理由があり、「退職届」よりも「退職願」の方がよりソフトが措置なので、退職交渉を穏便に進められるからです。
ここで、退職願と退職届の違いを見ていきます。
退職願は、会社(あるいは経営者)に対して退職を願い出るための書類であり(ということは、却下される可能性もある)、退職届は、会社に退職の可否を問わず、自分の退職を通告するための書類です。*3)
つまり退職届は一方的に辞める為のもので、承認ありきの退職願より強い措置になります。さらに言うと、わざわざ退職願を出さなくても、退職日の2週間前に退職届を出せば、労働者の一方的な意思表示で辞められるのです↓
民法の第627条には労働者は一方的な意思表示によって一定期間の後に会社を退職できることが認められています。雇用の期間に定めのない正社員の場合、雇用は労働契約の解約の申し入れ(退職届の提出)日から2週間の経過によって契約が終了します。*3)
ですが、基本的にはできるだけ円満退職をしたいのが本音。特にHSP気質であればなおさらです。ならばよりソフトな措置である「退職願」を出して、まずは穏便に退職交渉を進めましょう。一見手間がかかるようですが、誠意が相手に伝わるので、スムーズに退職できる可能性が増します。
「退職届」を最後の切り札に退職交渉を進める
とはいえ退職交渉を進めてもつれる可能性もあります。そういう時には退職届が切り札になります。上記でふれたように、退職届は先方の可否にかかわらず、一方的に退職を宣告することができます。
内定承諾している時点で、先方の会社には入社日を約束しているはずです。つまり、転職先の入社日から逆算した「退職日」からさらに逆算し、退職届を出すデッドラインを決める必要があります。退職届は民法で2週間前の提出となっていますが、引継ぎや有休消化期間もあると思うので、それらを踏まえたデッドラインを自分で決めてしまいます。
デッドラインまでに退職交渉がもつれるようなら、退職届で有無を言わさず辞めればよいのです。ここまで散々誠意を尽くして対応してきたはずですから、それを無碍にするような相手にこれ以上気を使う必要はありません。会社には、あなの挑戦を奪う権利はありません。だいたいここまで引っ張る会社は相当悪質ですから、なおさら辞めるべきです。
僕自身は退職届を出さなくても交渉ができましたが、退職届という切り札があったことで、メンタル的には非常に楽でした。
自力で退職交渉すれば、経験が手に入る
僕が調べる分だと退職代行を使うメリットは「精神的な障壁を乗り越えるため」です。つまり「会社に迷惑がかかる」「自分なんかが退職して良いのか」「上司に何を言われるか分からない」などなど。
しかし、実際には労働者は民法で守られており、会社が本人の退職を阻害することは不可能です。ましてや退職者を脅したりするのは、典型的なパワハラで許されない行為です。最近ではパワハラ防止法で法整備もされてきました。
加えて、退職代行は退職を切り出すのが申し訳ないと思ってしまう心優しい人から搾取するビジネスモデルとも言えます。退職代行の相場は、3~5万円ともいわれており、そのお金があればもっと有効な使い道があるはずです。
そして、代行を使わずに自分の力で辞めることでさらに覚悟が決まり、次の会社でも頑張れると思います(もちろん、僕のように頑張りすぎはNGですよ。。^^;)。
たしかに自分で退職交渉をするのは精神的に辛いです。しかし、交渉の経験は確かなビジネススキルと言えます。そのため、ぜひこの方法を参考にして頂ければ幸いです。
*1) [ITmedia ビジネスオンライン]「退職代行サービス」の利用を検討する人は44.7% 実際に使った人は?
「退職代行サービス」の利用を検討する人は44.7% 実際に使った人は?日本労働調査組合が、全国のビジネスパーソンを対象に「退職代行サービスに関するアンケート」を実施した。www.itmedia.co.jp
*2) [退職代行マイスター]「退職代行を使う理由」利用を検討した100人にアンケート実施
*3) [マイナビクリエイター] 退職願と退職届の違いとは – 正しい書き方と提出手順
https://mynavi-creator.jp/knowhow/article/how-to-write-resignation
*4) [日本労働調査組合] 退職代行サービスの金額|料金相場と対応内容に注目して選びましょう
https://nichirou.com/708
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